授業科目名 結晶物理学
英語授業科目名 Introduction to Solid State Physics
科目ナンバリング FMS3222
講義番号 T75060 担当教員[ローマ字表記] 本多 善太郎 [Honda,Zentaro]
科目区分 学部専門科目 開講学部 工学部
単位数 2 必修・指定選択・選択の別
開講学期(期別) 第1・2 曜日時限 金1
教室 対象年次 3~
初年次教育科目

クラス指定

機能材料工学科3年次前期向け

他との関連(関連項目)

半導体工学、光物性工学、電子機能材料へ接続する。

履修条件(授業に必要な既修得科目または前提知識)

数学に関する基礎科目および基礎量子力学、量子力学I、熱力学を受講していること。

テーマ・副題

固体の物理・化学

授業科目の到達目標

以下の項目を理解することを本講義の到達目標とする。
・結晶の定義と結晶構造の種類
・逆格子、ブリルアンゾーン(周期性)の概念
・結晶によるX線回折の原理
・フォノンの導入を行い、固体の熱的性質をミクロな観点から理解する。
・自由電子フェルミ気体モデルによる固体物性の理解
・固体のバンド構造
・固体の磁気的性質

学科・専修等の学習・教育目標との関連

結晶物理学は、機能材料工学科の教育目標のうち、D2(機能材料工学の基盤としての物質・生命現象とその数理・発現メカニズムを、実験および演習を含めて体系的に学習します。機能材料工学は学際的な先端科学技術領域であることに鑑み、卒業生の過半数が大学院博士前期課程へ進学し、さらに研鑽を積むことが可能なるような学力を身に付けることを専門工学教育の到達目標とします)においてD2-(2)(機能性材料・デバイスに関する学習を通じて、物質・生命現象とその数理・発現メカニズムを理論的に理解できる)に関連します。

授業キーワード

結晶構造、逆格子、フォノン、自由電子フェルミ気体、エネルギーバンド、半導体、磁性体

授業の内容

結晶構造の定義
逆格子、ブリルアンゾーンの概念の導入。
逆格子のフーリエ解析による結晶によるX線回折の原理。
格子振動(フォノンの概念によって結晶の熱的性質を説明する)
固体中の電子の振る舞い。(自由電子フェルミ気体モデル、クローニッヒ・ペニーモデルを導入し、固体のバンド構造が導かれることを説明する)
固体の電気的性質(金属、半導体、絶縁体)

授業の方法・事前準備学修・事後展開学修

板書を中心とした講義形式。
講義の最初に演習を行います。
必ず自宅で学習をするように心がけてください。
遅刻をすると演習問題が提出できないので注意すること。

授業展開(スケジュール)

第1回.イントロダクション 
第2回.結晶構造I
第3回.結晶構造II
第4回.X線回折
第5回.逆格子、ブリルアンゾーン
第6回.結晶結合の種類
第7回.中間試験
第8回.フォノンI
第9回.フォノンII
第10回.固体の熱的性質
第11回.固体の自由電子モデルI
第12回.固体の自由電子モデルII
第13回.エネルギーバンドI
第14回.エネルギーバンドII
第15回.金属・絶縁体・半導体
第16回.期末試験

成績評価方法

講義時間中の演習、中間試験、期末試験で成績評価を行う。

評価の内訳は以下の通り。
・中間テスト50点
・期末テスト50点
・総点100点
・演習問題(複数回実施):内容、提出率により試験点に加点する。
(これらの比率は問題の難易度を考慮して調整する場合がある)

演習を重視していますので、授業毎の自己学習と無遅刻を心掛けてください。

成績評価基準

総点において優(80%以上)、良(70%以上80%未満)、
可(60%以上70%未満)、不可(60%未満)を判定します。

「単位修得の認定に関する規程」に定める計算式により、算出したGPが
・1以上を合格、
・1未満を不合格とする。

※出席時数が基準の3分の2に満たない場合は、単位が与えられないので注意すること。
※30分以上の遅刻は欠席として扱う。

可のレベル:教育目標の各項目の必須事項を理解し、6割以上の問題に応用できる。
良、優のレベル:さらに理解を深め、7割(良)、ないし8割(優)以上の問題に応用できる。

テキスト

なし
ただし、講義はキッテル「固体物理学入門(上)」丸善
及び小長井誠「半導体物性」培風館
に沿って行いますので復習等で補いたい人は購入をして下さい。

参考図書

・キッテル「固体物理学入門(上)」丸善
・小長井誠「半導体物性」培風館
・斎藤博他「入門固体物性」共立出版
・黒沢達美「物性論」裳華房
・アトキンス「物理化学(上)」東京化学同人
・小出昭一郎「量子力学I」裳華房
・長岡洋介「統計力学」岩波書店

学生へのメッセージ

毎回実施する授業演習の内容が充分理解できていることが大事です。それには、
(1)予告している問題を当該演習の前に【自宅など】において各自取り組むこと、
(2)その時点で分からないことに遭遇しても、あきらめず、解く努力をすること
(毎日たとえ10分でもよいですから、考えること)
(3)演習後、解答を確認して、解けなかった点を中心に次の授業までに理解を確実にしておく
(4)これらの自己学習を積み重ねてゆくことが有効であり、各自の成績に反映されるはずです。

その他・備考

なし